■いつかは逃れぬ報果（むくい）(p66)　菜根譚　洪自誠書　
仏教にいう「縁にまかせる」こと、儒教にいう「本来の地位に満足する」こと、これらのことばは、世間の海を渡るのに欠かすことのできない浮き袋だ。人生は果てもなく、もし一つのことについてでも完全な満足を求めようとするならば、ありとあらゆる欲望がいっせいにもえ立つであろう。（2007.12.06）
自然な生き方(p229)　菜根譚　洪自誠書　仏教にいう「縁にまかせる」こと、儒教にいう「本来の地位に満足する」こと、これらのことばは、世間の海を渡るのに欠かすことのできない浮き袋だ。人生は果てもなく、もし一つのことについてでも完全な満足を求めようとするならば、ありとあらゆる欲望がいっせいにもえ立つであろう。
（2007.12.06）

■足ることを知る(p228)　菜根譚　洪自誠書
　茶も酒も、むりに上等なものは求めない。おかげでいつも、なんとか間に合う。白木の琴には弦を張らず、短い笛には穴をうがたず、それでも声なき調べが楽しめる。2007.12.06）

■「へらす」のが何より(p227)　菜根譚　洪自誠書
　人生というものは、いくらかでも「へらす」ということを心がければ、そのぶんだけ悩みから遠ざかることができる。　友人とのつきあいをへらせば、人間関係のもつれが少なくなる。発言をひかえれば、非難を受けることが少なくなる。考えごとをへらせば、心の疲労が軽くなる。りこうぶることをへらせば、美しい本心を傷つけずにすむ。　「へらす」ことにつとめようとはせず、「ふやす」ことばかり考えれば、自ら手かせ足かせをはめているのと変わらない。
（2007.12.06）

■ゴールデンルール(p212)　女性の品格　板東眞理子著書

　自分がしてほしくないことは人もしてほしくないというのは品格ある生き方の基本です。これは孔子の教えですが、キリスト教では自分のしてほしいように相手にしなさいといいます。同じことを言っているようですが少し違います。自分のしてほしいことを相手がしてほしいと思っているとはかぎりません。人の好みはさまざまだからです。でも自分が嫌だと思うことはたいていの人もしてほしくないと思っています。・・・・・・・
（２００７．１０．２０）

■「少しずつでもよい方向に」　朝日新聞（夕刊）2007.10.11　　日々是修行　佐々木閑（花園大学教授）　
　・仏教が理想とする立派な人とは、自分の本当の有りようを正確に把握し、雑念に惑わされない確固とした自己を確立した人を指す。簡単にいえば、道理が分かって、物に動じない人である。
　・出家した僧侶なら、最終目標の「悟り」を目指すのが当然だが、一般の社会人には難しい。しかし、「悟れなければ修行する意味がない」などと考える必要はない。　・「少しずつでも、自分はよい方向に進んでいる」という思いは、それだけで人生の素敵な財産である。
（2007.10.12）

■増谷文雄　（出展不明？）　仏教とは！
　１．自覚の宗教　２．真理の宗教　３．修行の宗教
＊西洋の仏教の見方：１と２＝禅　人生論の哲学と呼ぶ
（２００７．０8.08）

■禅入門　人間学としての禅　佐橋法龍著
　禅では、利他（他人や社会に奉仕貢献をすること）の大業を理想とする学人（修行者）に、まず徹底した厳しい自利（自分を利するための修行をすること）を要求する。宙に足の浮いたあまい利他の理想論のごとき、凡夫のできる芸当ではない。自利への徹底こそ肝要である。そしてその自利が、おのずから利他の大業となることろに、自利の完成、すなわち利他の現成（完成とほぼ同義）がある。
（２００７．０７．１４　P144）

■悩みを分析するための基本的技法　道は開ける　D・カーネギー著
第１則　事実をつかめ。ホークス学長の言葉を記憶せよ・「世の中の悩みの半分は、決断の根底となる知識を十分持たないで決断しようとする人々によっておこされる。」
第２則　あらゆる事実を酋長に考察してから決断せよ。
第３則　決断がなされた以上、実行せよ！　決断をすくさま行動に移せーーーその結果に対して不安をいだくな。
第４則　君が何かの問題について悩みそうな場合には次の問いとその応えとを書きしるしてみよーーー
　　a.　問題は何か
　　b.　問題の原因は何か
　　c.　問題のあらゆる可能な解決は何か
　　d.　最も良い解決法は何か

■「不良定年」　嵐山光三郎
　らしき服装
　　それでも、らしき服装は依然として生息しており、作務衣を着た陶芸家がその一例である。作務衣を着た職人はいずれもインチキくさく、そば打ち、尺八奏者、僧侶、詩人、書家は信用できない。・・・・
　　・いまの時代は、一見したナリではいかなる商売かが判別できない。すぐにわからないごく普通の服の人が、じつは凄腕の達人なのである。「らしく」ない人がプロである。
　　とすると、相手がナニモノかを判別するのは「匂い」しかない。いかなる衣装をつけていようが、相手が視線や言葉づかいや、ちょっとしたしぐさから匂ってくる気配からその正体を嗅ぎかぎとる。長年の商売で身についた「匂い」は消しようがない。
一茶の句
　衣変えて坐つて見てもひとりかな

■「あたりまえ」を疑う社会学
　テレビドキュメンタリーの解読
　”恣意的な決めつけ”を要請する「支配的な文化」で生きている、圧倒的な量のカテゴリーがみちているのである。
・あつ重度障害者の療養施設が行っている地域福祉実践のすばらしさを伝えるものだ。・地域福祉実践の意義を見る側に伝えるために、「施設に暮らす障害者」＝「一人では何も出来ない存在」「誰かの手助けがないとなにもできない存在」という「障害者」のカテゴリー化を、番組先般を通して行ったことである。
・障害者の生活を少しでもよくしようとする福祉実践を伝える番組。しかし、そこには、平行して「障害者」イメージをより狭く限定していくカテゴリー＾化が埋め込まれている。
・このような、メディアが無意識のうちに、私たちに強制してしまう。”決めつけ”の実践を、私は批判的に解読したいと思ったのです
・ある問題や現実について、私たちがどのよいうな言葉やカテゴリーを用い、語るのか、”恣意的な決めつけ”に囚われ、どのように”語らせしまっているのか”。世の中を質的にしらべるとき、注目すべき大切な現象なのである。

■「あたりまえ」を疑う社会学
・さまざまな状況のもと、人々は自らが生きている世界を少しでも変えていこうとして、語り出す。
・薬害の被害者や遺族の手記には、怨念がほとばしるような医師への批判、非難が語られている。その部分をそのまま切り取り、「当事者たちの思い」として論文や調査報告書でも使っても、それは”語り出す力と向き合うこと”ではない」
・批判や非難の言葉が強烈で印象的であればあるほど、なぜ、どのようにして、こうした言葉が語り出されたのだろうかと、語り出す力の”源”とでもいえる何かに向かって想像力をふくらませ、語った人、語りの背後にある現実を調べようとする営み、それが語りだす力と向き合うセンスであり実践の一端なのである。

■真理は少数派にあり　（道元禅師のことば）　小倉玄照　編著
　情報化社会といわれるほどにマスコミ等の影響がきわだつ現代です。マスコミによって作られた世論とか意見というものを私たちはどう受けとめるべきか考えてみる必要がありそうです。むろん、マスコミをまったく否定するのではありません。積極的にマスコミに働きかけて、賢なるもの、聖なるものを尊ぶ多数意見を作り出すようにつとめる必要はあります。けれども、一般論として、「良薬は口に苦し」ということわざが秘めている真実を肯定せざるをえないのではあるまいかという気がします。真理は少数派にありと考えておいた方がまず無難なのではありますまいか。

■ケアーの心理学　癒しとささえの心をさがして
○なぜ彼らは過剰に依存するのか
第一の理由は、もともとの性格が依存的な場合です。・・周囲が自分の世話をしてくれるのが当然と思いこんでいます。全面的に依存できた母親との関係を他人にも求めてしまいます。
第二の理由は、退行からの回復が遅れている時です。・・一時的には全面的に依存する状態になります。しかし、通常は自立心が機能するため退行から回復します。
第三の理由は、依存心に潜んだ攻撃的感情の影響です。・・過剰に依存することで相手をコントロールしようとします。ケアする人を心の奥で困らせたいと思っているのです。
第四の理由は、自己愛の影響です。・・自己愛の強い人は、自分の延長のように考えています。ケアする人を自分の手足のように思っています。
○なぜ彼らは依存することができないのか
第一の理由は、彼らの性格から来ている場合です。幼い頃から独立独歩とか自立的な生き方を両親から教えられて生活してきた人は、「依存」ということに抵抗感が強く持ちます。
第二の理由は、依存への恐怖が根底にある場合です。・・十分な基本的信頼関係がないと、自分を他人に預けることはできません。
第三の理由は、人間関係が苦手な場合です。ケアという行為は人間関係に基づいています、人と関わるのが苦手な人は、対人関係を避けるためにケアを避けてしまいます。

■道元禅師のことば
○節を守り筋を通す多数がよしとすれば、それが正義として罷り通る感のある現代社会では、人間社会の調和ということが優先されて、ことなかれ主義がはびこっているようにみえます。・・・・
節を守り、筋を通す、という生き方をする人がだんだん少なくなって行くような太平の世に生きながら、孤独を恐れずに「あひかまえて」自然の摂理を見すえ、それに添う生き方をしたいものだと念ずることしきりです。

■道元禅師のことば
○真理は少数派にあり
情報化社会といわれるほどにマスコミ等の影響がきわだつ現代です。
マスコミによって作られた世論とか意見とかいうもの私たちはどう受けとめるべきか考えてみる必要がありそうです。むろん、マスコミをまったく否定するのではありません。積極的にマスコミに働きかけて、賢なるもの、聖なるものを尊ぶ多数意見を作り出すようにつとめる必要はあります。けれども、一般論として、「良薬は口に苦し」ということわざが秘めている真実を肯定せざるをえないのではあるまいかという気がします。真理は、少数派にありと考えておいた方がまず無難なのではありますまいか。

■境涯について
この世に生きてゆくえ上で置かれた、人それぞれの立場、身の上、境遇。
（広辞苑第四版）
境界と同義語　

■澤木興道老師の坐禅について 「宿なし興道　法句参」
（澤木興道老師の言葉を味わう）　内山興正著
第一、仏法とは、ゆきつく所へゆきついた人生を教えるものである。
第二、坐禅は、透明なる自己になることである。
第三、坐禅は、自分が自分を自分することである。
第四、坐禅は、宇宙とぶっつづきの自己になることである。
第五、坐禅してもなんにもならぬ。

■腹がへったらめしを食い・・・「和尚さんが病気にならない理由」
　千数百年も前、禅宗がまだ中国の新興宗教だった頃、こんな面白い歌をつくった和尚さんがいました。
　きのうのことは、過ぎたこと
　あしたのことは、ケセラセラ
　極楽浄土、どうでもいいい
　精進功徳、わしゃいらん、
　腹がへったらめしを食い、
　疲れていれば寝るだけさ。
　こんな楽しみ、あることを、
　わかるヤツにはわかるけど、
　おそらくお前にゃ、わかるまい。

■僧、雲門に問う「不起一念、還って過有や他た無や」
　　門曰く「須彌山」　建長寺　管長　吉田正道
　我々は日常生活の中でいろいろな心を起こします。欲しい、惜しい、可愛い、この四つの思いがどのことにもあてはまります。禅の修行では不眠不休坐禅、作務にと、来る日も打ち込みます。十年、二十年と修業して得るところは、只、日常のことを、さらりさらりと、当たり前に出来る心を得るだけです。

■「唯だ普願のみあって、独り物外に超ゆ」馬大師. 一日一禅　87　
山岡鉄舟「いまどきほんものの禅僧を見ようと思ったら、管長だの師家だのという人に逢ってもむだだ」といったという。真に物外に超出し名利も修証も超越した大物は昔も今も稀である。

■「夜坐各寮」「不離叢林」永平寺の四季（ページ８７）小倉玄照著（ページ８７）
小人は閑居して不善をなすという人間の弱さを承知された上での親切な配慮というべきかもしれない。実際のところ、「みんながが坐禅している時間だから」という平凡極まりないことが、修行生活を続けてみると、どんなに修行をやさしいものにしてくれるかということが実によく分かる。
　「夜坐各寮」＝＞だが、人間のずるい心は巧妙である。坐禅をする者の邪魔は敢えてしないが、公然とそれをサボって心の痛みを感じさせない方法。
＝＞「夜坐各寮」只管打坐の宗風に坐禅の休みはない。古風に従ってひねもす坐りつづけなければならない。なお誤解を防ぐために一筆書き添えておくと、「　夜坐各寮」の夜も、永平寺の僧堂の単の上では黙然と面壁している雲水の二人や三人は必ず目にとまる。
道元禅師の只管打坐の宗風は、こうした異端の雲水たちによって脈々と伝えられていくのです。只管打坐は、誰にも親しまれる道であるが、誰にでもたやすく相続される道ではない。

 ■「現成公案（げんじょうこうあん）」（参同契普説）原田雪渓(2006.02.12)　・・「お釈迦様も歴代の祖師も、みんな「このままでいい」とおっしゃっているのだけれど、自分でなぜ納得できないだろうか・・・・」という問題意識を現成公案ともいっていますが、べつに無理をして坐らなくても、その現成公案 をひっさげて日々の生活をしてごらんなさい。必ず気がつくことがあります。「想い出さずに忘れずに」ということをよく申し上げておりますが、たとえ忘れても、想い出したときからはじめられたたいいんです。そこにあるものを自分で気がつかないでさがしているだけのことですから、決してあたらしいものをもとめているわけではありません。だだそういう問題意識を現成公案として参究していくこと、それが、「坐禅は坐禅なり」という坐禅です。

■「一水四見（いすいしけん）」（安心の生き方）余語翠厳
　物事は状況や境遇によってさまざまな姿に見えます。

■「人間の物差しと天地の物差し」（安心の生き方）余語翠厳
　現実にいきているときに、人間の物差しをすべて捨て去ることができないのも事実です。 それはそれでいい。その時代、その環境のなかで、一応の目安として物差しを持つことは構わないけれども、それがすべてだとおもわんことです。そんな移ろいやすいものを超えた、永遠に変わらないものがあることも知らなければいけません。

■なぜ人は仏教に引きつけられるのか「玄侑宗久：週間朝日」(2004.5.21)
たとえば禅では、人の在りかたを（習慣による思考と行動の癖を意味する）「境涯」という言葉ですべて認めてしまう。 5歳で鼻水をたらしていたら、しかって直さなきゃならないけれども、50歳で鼻水をたらしていたら、そういう人なんだなっておもうしかないんです。そんな禅の考え・・・(2004.05.11)

■2004年3月東泉院法話(2004.04.13)
先日、谷中の人間禅教団ー擇木道場を訪ねました。この会で有名な方には芳賀洞然 という方がおります。芳賀幸四郎というのが本名です。その墨跡を拝見しました。そ の署名のところに、「非僧非俗、ワレハ禅者ナリ」とありました。すばらしい言葉だ と思いました。親鸞は、「非僧非俗、愚禿親鸞」と言っております。我れは坊さんで もない、また俗人でもない。いま坊さんの看板を掲げていて俗人以下の人がたくさん います。俗人であって坊さん以上の人もたくさんおります。

■六不収（りつぶしゅう）「碧巌録」(2004.01.20)
・境：禅に限らず、仏教では自己が対象とする全てを「境」と表現する。 むろん認識の対象に自己そのものも含まれる。
・六つの対象：「六境」 色（目に見える物質や現象）・声・香・味・触・法
・境を捉える感覚：眼・耳・鼻・舌・身・意
禅的生活（玄侑宗久）

■かけた情けは水に流せ　受けたご恩は石に刻め

■仏様のことば・丁度よい　（藤場光津路さん原作の詩）2.12.27
お前はお前で丁度よい
顔も身体も名前も
お前にそれは丁度よい
親も子も息子の嫁もその孫も
それはお前に丁度よい
幸も不幸もよろこびも
悲しみさえも丁度よい
歩いたお前の人生は
悪くもなければ良くもない
お前にとって丁度良い
うぬぼれる要もなく
卑下する要もない
上もなければ下もない
死ぬ月日さえも丁度よい
仏様と二人連れの人生
丁度よくないはずがない
丁度よいのだと聞こえた時
仏様の慈悲につつまれる

■「できる人はやり、できない人は教えたがる」 　春風亭小朝著「言葉の嵐」

■「不染汚（ふぜんな）」興禅院の田中円海師
・鏡は写してもその色は残さない。染まらない。染まっても染まらない。

■松下幸之助03.05.24
・年を取ったら出しゃばらず
　にくまれ口に泣きごとに
　人の陰口愚痴言わず
　他人の事はほめなはれ
　聞かれりゃ教えてあげてでも
　知ってる事でも知らんぷり
　何でもあほでいるこっちゃ

■余語翠巖老師01.10.13
「人間の物差しで測らずに、自然の物差しではかれ」

■勝海舟98.05.28
「行いは自分のもの、評価は他人のもの」：勝海舟にすれば、「行いはひとり歩きをする。それに対して、他人がどういおうとそれは他人の自由だ。
いわれていることに、いちいち弁解するのは卑怯者だ」ということだ。こういう自信があるからこそ、海舟も海舟なりに、「自分の孤独を楽しむ生き方」を、死ぬまで続けたのである。

■道は開ける（デール・カーギー）98.01.10
（１）私は未来を心配したり、はるかなたの魔法のバラ園に憧れて現在にいきることを避けようとしていないか。
（２）私は過去に起きた事柄を後悔することにより現在を苦々しくさせることはないか。３）毎朝起きたとき「今日を把握しよう」今日という２４時間を最大限に活用しようと決心しているだろうか。（４）「今日に生きる」事によって人生からより多くをつかみ取ることができるか。
（５）これをいつから始める。来週？、明日？、今日？

■ピーターの法則（朝日新聞の窓より97.12.）
ピーターの法則：社会のあらゆるポストが無能な人間によって占められて安定する。ー精神科医の中井久夫「記憶の肖像」社会は、有能な人間を必死に探しているから、有能性を残している人間には常に「昇進圧力」がかかる。ところが上に行くにつれてやることが変わり、医師としての腕はよくても、病院長としてはダメみたいに、どこかで無能性を露呈する。社会はしだいに、この無能れべるに達した人間で埋まる。
　英国の社会学者ピーターが考え出した法則。「選別の尺度で測れない何かで有能な子だけが頼りである。」と中井さんは書いている。しかし、そういう人材を登用してはいけない。「無能レベルに近付いてしまうからだ」・・
「学を絶てば憂いなし」と老師は教えている。すからかんになれ、そうすれば真実が見えてくるという。その勇気があるかどうかだ。

■無言の英雄
　無言が美徳というわけではないけれど、いわゆる饒舌、口数が過ぎるということは－－－とくに男においては－－－軽薄に結びつき、”腹”の世界からはほど遠い。いいたいことのすべてを言い散らすことをせず、これらを押さえて腹に呑むのは、忍と自制の行為にほからなないからである。

■「どうでもよいこと」にはあっさりと妥協してこそ賢明。
どれだけ時間があってもたりないよ！自分の意志をぜがひでも実行しなければならないような機会は、割合数少ない。

■「人はひと、我はわれなり」されど仲良く。

■「見切りをつけたならば文字通り見切ってしまえ｝

■デカルトがこの中庸の道を選んだのは、彼自身が自分の人生でやりたいことに全力を集中したかったからにほかならない。
自分の精神状態を静穏に保つためには、それをかき乱すものから極力逃亡しなければならない。
しかし、そうはいっても周囲の騒音からは逃げきれるものではない。そこで、彼は、どうでもいいものに対しては、「賢明なる妥協」の精神で対処することにしたのだ。

■「いったい何ができるの？」
「私は考えることが出来ます。待つことが出来ます。断食することができます。」 (シュタルダー　ヘルマンヘッセ著作 p58 p65） 

■仏教における「お勤め」の根源を規定した釈迦が、例えば「上下の風を禁ずるなかれ」と言っているように、自然の均衡に逆らうことは「お勤め」の本旨に反することである。ちなみに上の風とはアクビ、下の風とはおならのことであるが、それを抑圧して体を壊せば基本理念である不断の修業、無限の向上そのものと矛盾してしまうのである。